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アルテウスの偉大なる冒険談 第23話
01/31(Fri) 03:36|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 陸地が近い証拠にカモメの鳴き声があちこちで聞こえてきた。船は何事も無く進み、ほどなく遠方に小さくクレタ島の島影が見えてきた。
「いよいよですな。どうかタロスの目に止まらないように」
 船長がポセイドンの加護を求めて祈っている。
 海は死んだように静まりかえる中、拙者はまんじりともせずに船のへさきで海に目を凝らしつづけた。
 ふいにカモメ達の鳴き声がピタリと止んだ。耳を澄ますと西の端の方から波の乱れる音、そしてにぶい振動音が響いてきた。船長は泡を食った様子で、船員達に反対側の方向へ船足を早めるように号令をかけながら走り去っていく。
 しかし、船の回避は間に合いそうになかった。その振動音は予想以上の速さで大きくなっていくようだ。
 すでに見え始めていた小さな人影が、波をかき分けてこちらに向かって歩いてくるのが見えた。その姿はみるみる大きくなり、薄ら笑いを浮かべたような表情をした仮面をつけ、巨大な剣を片手に振りかざしながらせまってくる青銅の巨人となった。今や、奴は金属のこすれるような咆哮をあげて大股で走りよってくる。
「来たな、神の手で作られた人形め。成敗してくれるわ」
 帰りのことを考えてもここで船を壊されるわけにはいかない。
 拙者は船から海へ飛び降りる。このあたりの海はもう浅くなっていたが、拙者は腰の高さまで海水につかった。かまわず、さぶ、さぶ、さぶ、と海面をかき分けるように、自らタロスの方へ走りよっていく。
 見上げるような大きさのタロスには、このあたりの海面はくるぶしの程の深さでしかない。
 そのとき、奴のくるぶしにコルクのような栓が刺さっているのに拙者は気がついた。先日、老人が言っていた霊液がなんのかんのという話しを思い出す。
 考えるよりも本能が働いた。
 奴の大ぶりな剣の一振りをかわすと、水をかき分けながら接近する。タロスは拙者の目的がすぐには理解できず、スキを見せた。拙者は飛び込むように栓に飛びつき、こじ開けようとする。成功率は五分五分だ。

 失敗!

 開いたほうの手で拙者を掴もうとするタロスから、急いで離れて呼吸を整える。もう栓を開けるチャンスはない。
 しかたあるまい。ここはやはり剣で倒すしかないようだ。この超自然の敵に反応して、ヘパイストスから与えられた剣と防具が輝き始める。(この戦いに限り各武具のポイントが6点に変化)
 渾身の力を込めて、奴の足を薙ぎ払う。確かな手ごたえとともに、奴が崩れるように膝をついた。だが、タロスの剣も拙者を捕らえる。神々の鎧のおかげで真っ二つになるのは避けられたが、その打撃のあまりの衝撃に血反吐が出そうだ。
 無我夢中でよろけかけた足を踏ん張り、手の届く高さになった胴に気合をあげながら剣を突き刺した。手ごたえはあった。
 さらにもう一度剣を叩きつけると、タロスは動きを止め、きしみ音をたてながらゆっくりと崩れ落ちた。勝ったのだ。
 しかし、地面に横たわったタロスの口からは蒸気のような荒い息がでている。おそらく奴を完全に殺せるのは神々でなければ不可能なのだろう。だが今のところは大丈夫だ。
 船長と始めとする船の乗組員達が、拍手喝采をして船に出迎えてくれた。(名誉点を8点得る)

 だが14人のアテネの若者達だけは、凍りついた表情で目の前にせまるクレタ島を見つめているのに気が付いた。
 無理もあるない。ミノタウロスに捧げられる運命が現実に迫ってきたのだから。
 そんな彼らの心中を察して拙者も心を引き締まる。決して人ごとではない。
 拙者の本当の闘いは、ここミノス島から始まるのだ。

 第一部完

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アルテウスの偉大なる冒険談 第22話
01/30(Thu) 00:55|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 キテラの島は想像どおりに、南国の花々が咲き乱れる楽園のような姿であった。ゆっくりと動く船の上、拙者はなかば恍惚といってもいい気持ちで、港に広がるおだやかな海面を眺めていた。
 ふいに、悲鳴が静寂を引き裂いた。見ると少し沖の方の海面で小さな手漕ぎボートに乗った若い女がいた。ボートは尖った岩場に打ち寄せられて、今にもバラバラになりそうだ。
 女人の危機とあって、拙者は勢いよく海に飛び込ぶ。
「待ってろ!今助けに行くからげぼぁごぼごぼげぼがほごぼぶぉ…」
 不運にも飛び込んだときに船のロープが足に絡まってしまった。たちまち拙者は溺れてしまう。
 見守っていた船員達が拙者の苦境を見てはやし立てる。人身御供となるアテネの若者達まで笑っている。なんたる恥。なんたる屈辱。(恥辱点が2点増える)
 もがいていると誰かが拙者の腕をつかみボートに引き上げた。礼を言う間もなく、水を吐き出して新鮮な空気をとろうと、必死であえぐ。
「まあ、すっかり濡れてしまったわね。でも私を助けようとしたのは感心よ。この次はもっとうまくやりなさい。おばかさん」
 聞き覚えのある声に拙者が顔をあげると、美の女神アフロディテがウィンクをして姿を消した。
 
 そんな事件のあとに上陸したものの、美女の歓迎もなくキテラ島は意外に静かだった。
 嵐で傷んだ船の修理に忙しい船員達をあとに、島内の探索をしてみるが、静かどころか住民の気配すらしない。
 しばらくすると難破船の生き残りのような姿をした老人が目に入った。拙者と目が会うと老人は急いで駆け寄ってきて物乞いをはじめる。
 想像していたキテラ島とは、なんともそぐわない光景だ。少々ゲンナリしながら食料を与えてやると老人は大喜びで舌なめずりをした。
「こりゃ凄い。まるで神々の食べるアンブロシアみたいに旨そうな食べ物だ」
 老人はチーズをむさぼりながら喋る。
「アンブロシアを食べると神々の血管内に霊液が生じる。だが、霊液は足から流れ出すかもしれない」

 なんのことだろう?老人に尋ねてみたが、老人は食い散らかすとさっさと立ち去ってしまった。(名誉点を1点増やす)

 数日間をキテラ島ですごすうちに船の修繕も終わり、出港することになった。
 クレタ島はもう遠くない。「アルテウスの復讐」での冒険談はもうすぐ終わる。次の巻ではミノス王の宮廷も見ることができるだろう。
 そう考えながら拙者が船の上でたたずんでいると、船長がよってきた。
「アルテウス様。クレタ島にはもう間もなく到着します。ですが一つ問題があるのです」
 船長が告げた内容は恐るべきものだった。クレタ島ではタロスという青銅でできた巨人が、毎日クレタ島の周囲を巡回しているそうだ。タロスはクレタ島に近づく害を成す者に全てに襲い掛かり、時には普通の商船まで襲われてしまうらしい。
「なんの。そのような番犬ごとき、ヘパイストス神から賜ったこの武具で蹴散らしてくれるわ」
 拙者は鼻で笑ってみせた。
 本心ではミノタウロスにすら勝るかもしれぬ強敵との無益な戦いは避けたい。本来なら守り神に祈るべきところじゃが、まさか戦好きの軍神アレスにそれを願うわけにもいくまい。

 覚悟を決めた拙者は、水平線に目を凝らしてクレタ島の島影が見える時をじっと待つ事にした。

アルテウスの偉大なる冒険談 第21話
01/29(Wed) 23:47|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

「なに捜しているの?」
「ああ、アルテウスの復讐っていうゲームブックをなくしたんだ。この部屋にあったはずなんだが」
「またぁ!?いつも適当に放り出すから、こうなるの!ちゃんと整理しておけばこんなとこにはならないのよ。だいたいあなたは」
「思い出した!確かアルテウスの復讐はダブリ本を持っていたはず。たしか、倉庫の中に…やった!あった!」
「ちょっと!人の話しを聞きなさい」
「・・・・・・!」
「・・・」

 目を醒まして、ガバッと身を起こした。ここはどこだ?
 急いであたりを見回すとクレタ島行きの船内、その中のあてがわれた寝室に拙者はいた。
 妙な夢を見たようだがよく覚えていない。とにかく現実の世界に戻ることができたことにホッとして、拙者は守り神に感謝の祈りを捧げた。冒険を続けよう。

 船長は次の寄港地をメロス島にするべきか、デロス島にしようか悩んでいた。海図から見ても航海の条件は同じだそうで、拙者に意見を求めてくる。
 たいして判断する材料もないので、適当にメロス島と進言してメロス島にいったが、ごく平和な島でトラブルは特になかった。ブドウを食べて腹を壊し、蜂蜜を取ろうとしてミツバチに刺されたので、うんざりして出発することにした。体力ポイントの概念がない世界でよかったわい。(なぜか名誉点が2点増える)
 再び航海は続く。そして次なる寄港地、テラ島に上陸したときに奇妙な事件が起こった。
 テラ島を1人で探索していると、前方に見える崖が突如として崩れ始めたのだ。そしてその時、崖の下には屈強な戦士、鍛冶屋の姿をした足の悪い男、冠をかぶった女の3人の男女がいた。
「助けてくれ!」
 3人はいっせいに叫んでいる。しかし、拙者は急いで駆けつけても1人しか助けられる時間はないだろう。とっさにそんな冷静な判断を下した私は、誰を助けようかと吟味した。
「そんな暇があったら早く助けろ!」
 屈強な戦士が拙者の心を読んだかのように叫ぶ。その顔を見て驚いた。彼は我が守護神アレスではないか。
 そうなると、他の2人も神々ということだろう。おろらくこれは拙者を試しているのだ。きっとここは重要な選択肢に違いない。
 まずは、軍神ともあろうアレスが本気で助けを求めるとは考えにくい。よって助けるなら、足の悪い男か冠をかぶった女だ。次に先程「ヘラが君の守り神なら」という選択肢があったので、女はヘラ神の可能性が高い。以前、拙者がヘラの儀式を邪魔して彼女を怒らせていることを思い出した。ご機嫌をとるチェンスかもしれんが、彼女からは褒美がもらえないかもしれない。
 消去法で鍛冶屋を助けることに決めた。
「待ってろ!拙者が助けに行く」
 拙者は身の危険も顧みず、崖から落ちてくる石つぶての中を突進して、鍛冶屋を抱えあげようとする。だが、もうもうたる砂塵に思わず一瞬目を閉じてしまう。
 目を開けると崖崩れなど初めから無かったかのように、あたりは静かになっていた。戦士も女の姿も消え、鍛冶屋1人が微笑んで立っていた。彼は雷鳴のような轟く大声で言った。
「賢明な判断だ。よくぞ鍛冶の神ヘパイストスを救おうとしてくれた。褒美をやろう」
 ヘパイストスの腕の中に剣と鎧と盾があらわれ、拙者に手渡してくれた。簡素なデザインながら、しっかりとした作りで惚れ惚れするような一品だ。

 剣(攻撃点4)、鎧(防御点4)、盾(防御点4)
*さらにこれらの武具は、神や神にかかわる生き物と戦う場合には全て6点にアップする。

 大きな収穫に喜びいさんで船に戻る。いよいよ次はクレタ島まで一直線だ。
 だが、ここで運を使い果たしたのか、次の航海は大嵐にみまわれた。ポセイドンとは中立の関係にもどっているので、彼の庇護が受けられない。名誉点を6点も使って、嵐を静めるようポセイドンに祈ったが、嵐が静まる気配はなかった。おまけに船の揺れにとられて、武器と防具と道具を一つずつ海に落としてしまう。(ここで予備の武具とブローチを無くしたことにする)
 そんな嵐も七日が過ぎてやっと静まった時、船は航路を大きくそれてキテラという島の傍までたどり着いた。
 船長が憔悴した様子で島に寄航して休息しようと拙者に申し出てきたが、拙者はいい加減に一刻も早くクレタ島につきたいところだ。
 すまぬが、もう寄り道をせずにクレタ島に行ってくれぬかと頼みかえすと、船長は残念そうにため息をつく。
「そうですか。しかたありません。美の女神アフロディテの支配するキテラの島は、船員の休息にはぴったりだったのですが残念だ」
 拙者は甲板にでて船員に号令を出した。
「キテラ島はもうすぐ!ぐずぐずするな、いそいで船を寄せるんだ!」
 おお、キテラ。麗しの島よ。お持ちくだされ、拙者はすぐにアフロディテ殿のもとへ参るでござるぞ。

アルテウスの偉大なる冒険談 第20話
01/28(Tue) 00:23|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 ぬかったわ!
 この冒険も20話になったが、この記念すべき週に、拙者不覚にも「アルテウスの復讐」を紛失して
しもうた。発見するまで記憶のみで書くので、間違っていたらすまぬ。

************************

 アテネの宮殿を出て、拙者はクレタ行きの船にのった。
 この船には船員のほかに、若者の男と女、7人ずつが同乗している。彼らは物悲しそうに遠く離れていく、アテネの陸地を眺めていた。
 無理もない。彼らはミノタウロスの生贄になるためのミノス王への献上品なのだ。
 そのうちの1人の娘が拙者に微笑かける。母上の顔にそっくりで、少し故郷を思い出した。
 果たして拙者の活躍次第で彼らを救うことはできるのじゃろうか。

 そんなわしらの感慨とは無関係に、船旅はしばらく順調にすすむ。
 順風満帆とはいかないのが、冒険というものだ。しばらくすると、船員が前方を指して騒ぎ始めた。

 見てみれば、恐ろしくバカでかい大海蛇が一匹、大波を立てながら船のまわりを周回しているではないか。
 襲い掛かられたらこんな船、ひとたまりもないぞ!
 どうする。戦いを仕掛けることもできそうじゃが、圧倒的に足場が悪い。鎧をつけたまま、船から落ちたら一巻のおわりじゃろう。
 迷った拙者がポセイドン神に祈ると、海蛇は大人しく海中に戻っていった。ふぅ、危機一髪だったな。(ポセイドン神の関係が“友好”から“中立”へ戻る)

 やがて船は貿易のために、キトノス島に到着する。
 生贄の若者達は船に残っているようだが、拙者は船長について行き宿屋(酒場)で休憩をすることにした。
 酔っ払いの声などで喧騒につつまれている中、船長は宿のあるじとなにやら取引をしているようだ。

 ふと気が付くと、2本の巻物が目の前にあった。おそらく船から搬出した品々の一つだろう。
 どちらかの巻物の中を覗いてみようか、と興味が湧いてくる。しかし、選択肢の中に「卑怯なマネは止めて巻物を無視して船に帰るなら、○○へ」と書かれてあったので、ガマンして船に戻る。卑怯者扱いをされては拙者の名誉にかかわるからな。(名誉点+1)

 悲劇はキノトスを出港してから、しばらくたってから判明した。
 ない。
 ない。
 やっぱり、ない。
 なんと拙者の荷物の中から、父上がミノス王にあてたあの親書が無くなっているのだ!
 なぜじゃ。なぜ親書の巻物が……ハッ!
 もしかすると、さっき宿屋で見た巻物のうち片方が、そうじゃったのだろうか。なにか悪夢的な手違いが起こったに違いない。
 母上の宝石を川に落とした時のように、ヒントを見るべきだったな。じゃが後悔しても遅い。
 親書なしでミノス王を説得するのは、きっと恐ろしく骨が折れる作業になるだろう。
 しかし本そのものだけでなく、その中でも紛失するとは……笑えぬの。

アルテウスの偉大なる冒険談 第19話
01/27(Mon) 23:51|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 翌朝になると拙者の寝室に、召使いの女が朝食をお盆にのせて運んできた。
 たっぷりの肉とヤギの乳を食べると、父アイゲウスに会いに行った。
 「さあ、これを持ってわが都を救ってくれ。神がそなたとあるように」
 父上は憂いに満ちた表情で拙者を出迎え、そう言いながら次の武具を手渡してくれた。

 剣(攻撃力+3)、小さな盾(防御力+2)、胸当て(防御力+2)

 武器は良いものをすでに持っているものの、防具は古びた兜しか持っていないので合わせて使うことができる。ありがたく盾と胸当てをいただいた。
 今の状態は次の通りだ。

原攻撃点  6  斧(攻撃力+5、防御力-3)、槍(攻撃力+3、防御力+1)
原防御点 10  古びた兜(防御力+2)、小さな盾(防御力+2)、胸当て(防御力+2)
名誉点  18
恥辱点   3
所持品  母の宝石、穂の形をした金のブローチ

 すっかり武装した拙者はアレス神に祈りを捧げると、アテネ軍とアマゾン軍が激突する戦場へと踊り出た。
 せっかくの防具を生かすために、武器は槍を使用する。拙者は大声をあげる。
「であえ、であえ!アマゾンどの大将はどこにおる!我こそは王アイゲウスの息子なり。名誉ある一騎打ちを望もうぞ!」
 間もなく、数人のアマゾン軍の女戦士が向かってきた。そのうちの1人と切り結ぶ。
 たちまち相手に重傷を負わせたが、その女戦士は降伏せずに戦いを続行してきた。
「女とは申せ、あっぱれな心構え。じゃが、ここは戦場。やすらかに眠られよ!」
 トドメを刺すと、他の女戦士たちは立ち止まった。(名誉点を3点得る)

 拙者は指をポキポキと鳴らして言い放った。
「次に死にたい奴、前へ出ろ」
 すぅ、と一際堂々とした女戦士が前に出る。そして鋭い槍の一撃を拙者に向けてきた。
 気合の声をあげて拙者はその槍を薙ぎ払い、足払いをしてそいつを転倒させ、槍を突きつける。
 さすがの女戦士たちも拙者の強さを認めたようだ。
転倒した女戦士が降伏の意思を示した。
「私はアマゾンの女王、アンティオペです。あなたは私を破った。だから私の国も負けたことになります。撤退しましょう。ヘラもこれ以上はなんの要求もできないはずです」
 するとこの戦争の原因は神々の女王ヘラの仕業なのか。もしかして拙者が儀式の邪魔をしたから、彼女がこの戦争で報復をしたのだろうか?
 少し冷や汗が流れるが、悟られないようにする。
 アンティオペは肩から宝石のブローチを外してつづけた。
「それにしてもあなたは勇敢な戦士だ。褒美をあげましょう。私はあなたの使命を知っています。クレタにいるレンブラという私の仲間に会ったら、このブローチを見せなさい。きっと力になってくれるでしょう」
 アンティオペは戦場の只中に戻っていった。数分後、アマゾン軍は撤退をはじめた。
 この戦争は勝ったのだ。(名誉点を6点得る)
 宮殿に戻り、勝利の宴を皆で祝う。拙者の活躍に父君も満足そうだ。

 しかし、明日はいよいよ、我が名誉とアテネの命運をかけて、クレタへと出発しなくてはならないのだ。
 喜びに浮かれるのもここまでだった。その晩、宮殿で眠る拙者の夢の中で見たものは、禍禍しいミノタウロスの姿だった。

アルテウスの偉大なる冒険談 第18話
01/26(Sun) 04:06|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

「よくぞ戻った!そなたこそ我が息子だ」
 宮殿に戻った拙者に父アイゲウスは、驚嘆の叫びをあげながら駆け寄って抱きしめてきた。
 よく見るとまぶたにかすかに涙が滲んでいる。内心では死地へ向かわせた者が、もし本当の息子だったらと心痛していたようだ。拙者もじんわりと胸にくるものがある。
「お顔をあげてください。拙者、父上に会えて嬉しゅうごうざいます」
「母は元気なのか?それにその奇妙な言葉遣いはどこで覚えたのだ?さあ、お前の話しを聞かせてくれ」
 父の顔は喜びに輝いていたが、何かを思い出したように急に深刻な表情になった。
「お前は良いところにきてくれた。頼みたい事があるのだ。お前でなければ勤まらぬ仕事なのだ。すまぬがクレタ島へ行ってほしいのだ。こちらへ来てくれ」
 どのみち最終目的のミノタウロスがいる場所はクレタ島だ。異論はない。王は苦渋に満ちた国の事情を話す。
「クレタ島のミノス王は、ミノタウロスへの生贄にするために、わが国の若い男女を7人ずつ毎年献上することになっている。屈辱だが献上された彼らは断ればミノスは軍隊をわが国に差し向けると脅してくるのだ。だが毎年、若者達を奪われる我が民衆の不満はもう限界まできている。そこでお主は私の使者として、生贄のかわりに金銀などの財宝の献上であがなえるようにミノス王を説得してきてほしい。決裂すれば後は戦争しか手段がないところまできているのだ」
「もし決裂したときは敵軍の様子を少しでも多く探ってきてくれ」
 父の隣に控えている髭面の軍師らしき男がそう口を挟む。むしろ戦争を望んでいるかのような口ぶりだ。先程ミノス島からきた旅人エリデュロスが、アテネの住民の手でリンチに遭っていたが、その理由がやっとわかった。
「さっそく親書をしたためよう。こちらへ来てくれ」
 父は拙者を貴族達の立ち並ぶ広間から、誰も居ない書斎に招き寄せた。親書を自らの手で書き上げ、封をして拙者に手渡す。
「実はな。もう一つ頼みがある。ミノス王は冷酷な男だから申し出をはねつける可能性があるのだ。そのときはミノタウロスを殺してきて欲しい。なぜならクレタにあの化け物がいる事こそが、奴らの軍隊に神の力を与えていると言われているからだ」
「承知つかまつった。もとより兄じゃの敵、ミノタウロスの退治は我らが一族の悲願でござる。父上、安心してくだされ」
「おお、頼もしい。お前を乗せて行く船には黒い帆を張っておくぞ。お前が首尾よくことを果たせたら、船に白い帆をつけかえて凱旋するのだ。それを見て私は魂から安らぎを得る事だろう。だがその前にもう一つ困ったことがあるのだ」
 まだあるのか。この都もいろいろ問題が多そうだ。いずれ拙者が王の後継ぎになるのかはわからぬが、王という立場も楽ではないらしい。威厳に満ちて見えた父だが、こうして間近で見つめていると相当な疲労をひきずっているのがありありと見えた。
「実は女戦士のアマゾンどもが、わが都に向かって進軍してきているのだ。このままなら明日には我が軍との戦闘になる。理由はわからんが降りかかる火の粉は振り払わぬばならん。お前の力も貸して欲しい」
 ようするに一兵士として戦えということか。仕方ない。今回はパラグラフ3つしか話しが進まなかったし、まだまだ先は長いのだ。
 せめて今晩はゆっくり休んで英気を養わせてもらおう。

アルテウスの偉大なる冒険談 第17話
01/26(Sun) 00:10|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 メガラの町からエレウシスの町へと旅を続ける。エレウシスは女神デメテルの神殿で収穫祭の儀式が行われているというあの町だ。
 またしても女祭司は拙者の手を取ると階段を登りはじめ、なにがなんだがわからぬうちに祭壇の前に立たされる。
「エレシウスの市民よ。これから一般人の1人に再生の象徴たる穀物と水と炎の儀式を執り行ってもらいます。さあ、始めましょう」
 目の前には水の入った壷と穀物の入った鉢、そして燃え盛る炎の入った火鉢がある。
 先に穀物の入った鉢を手にとると、群集のかすかなどよめきが聞こえる。
 この穀物をどうするべきか。水瓶の中に入れるのは前回試して失敗じゃった。火にくべて燃やすのは収穫祭らしくない。拙者が食べるのも何か珍妙だ。
 ならば消去法で群集に振り掛けるのが正解かもしれん。
 予測はあたって、群集は拙者のまく穀物を奪おうと必死に取り合っている。ワハハハハ、何か愉快じゃ、餅まきみたいじゃな。
「次の儀式をお願いするわ。水瓶を使うのよ」
 穀物をすっかり撒き終えると、女祭司は拙者に話し掛けた。
 今度は水瓶か。瓶の中には水がたっぷり入っている。
 選択肢は穀物にかけるか、火鉢にかけるか、水を飲むかの3択になっていた。穀物と水の組み合わせはきっと駄目じゃろう。水を飲むのもなにか違う気がする。というわけで火鉢に水を振り掛ける。
 火鉢はジュジュジュューーーーッ!!!と音をたてて、中で燃え盛っていた火が消えた。
「春の秘蹟はつつがなく執り行われ、デルメルの娘ペルセポネが戻ってきました!」
 女祭司の宣言と同時に湧き上がる歓声。うまくいったようだ。
 その日は夜通し宴会が催され、たっぷり飲み食いして一晩を過ごした。

 翌朝、女祭司に穂の形をした金のブローチを譲り受ける。
「これはあなたがデルメルの女祭司の友人という証です。もっていきなさい」
 拙者は感謝の意を示すと旅を再開した。(名誉点が3増える&デルメルと友好関係になる)
 そのまま寄り道をせずに旅を続け、アテネの町へと入る。
 細かいところは端折るが、エリデュロスという旅人を助けた後、父上の宮殿に到着する。
 今回は「スティリコン」と名乗ったが不審者として捕まってしもうた。
 アフロディテ殿こそ登場しなかったが、必死で無実を訴えていると、父上の情けにより宴会場に招待された。ここまでくれば同じ展開だ。
「わたしの気高い息子、あの愛すべきアルテウスだというのか。だが、私は長いことお前に会っていなかった。今は信じて良いものか判断がつかぬ。…だが、証明する方法はあるぞ。マラトンの町に凶悪な牡牛が出没して、住民がふるえあがっているのだ。牡牛を殺してこい。それができる勇者であれば、お前はこのアイゲウスの息子に間違いないであろう」
 今度こそ、今度こそ、あの牡牛を倒すことができるのだ。武者震いをしながらマラトンの町へ向かいだす。
 起伏のゆるやかな高地地帯を歩いて夕方になるころ、前方にマラトンの町の影が見えてきた。不意打ちを警戒して牡牛を向かい撃つべく、町の手前で静かに腰を降ろして待ち受ける。
 やがてのっそりを姿をあらわした小山のような牡牛に向かい、斧を取り出して身構える。
「アルテウスよ!牛を殺せ!」
 戦闘がはじめる前にアレス神が登場して(名誉点3点を消耗する)さらに超人的な力を拙者に注ぎ込んでくれた。(この戦闘中にかぎり原攻撃点が8となる)
 この勝負もらった!
 牡牛の攻撃など一切かまわず、足を踏ん張って斧を打ち下ろす。その一撃、一撃は確実に牡牛に命中する。
 拙者の猛攻に耐えられずに牡牛は転倒した。
 横倒しになって大きく吠えている牡牛に、トドメの一振りで息の根を止める。
 固唾を飲んで遠巻きに見守っていたマラトンの住民が近寄ってくる。彼らの賞賛の声を聞く前に、拙者は牡牛の角を切り取って、さっさと父上の宮殿めざして引き上げることにした。(名誉点を7点得る)
 畜生相手に勝っていつまでも喜んではおられん。いずれはミノタウロスと戦うのじゃからな。

アルテウスの偉大なる冒険談 第16話
01/25(Sat) 08:28|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 どこの川岸と思いきや、ここはクレオネ川のほとりだった。またまたヘラの化身である老婆をおぶって川を渡ってやる。(名誉点2を得る)
 宿に泊まって、翌朝ケンクレエという海洋都市へ向かい、陸路を進み、海からあらわれた馬を御してポセイドンの機嫌をとる。(名誉点3を得る&ポセイドンと友好関係になる)
 クロムミオンという町の手前で、イノシシ出現。破壊力のある斧にものをいわせ瞬殺。クロミオンの市民達の祝福(名誉点+6)と槍(攻撃点3、防御点1)を得てそのまま宿に泊まり、翌日にはメガラの町へ到着する。ここまでは前回と同じコースだ。

 メガラの町では市場にいかずに町をぶらついて見ることにした。するとヘラの神殿になにやら人だか りを発見。
 どうもヘラのために人身御供を捧げる儀式を行っているらしい。人身御供とは残酷なとは思うが、神の儀式を邪魔することはやめて、さっさと立ち去った方が賢明だろうの。最初の冒険では子犬を助けてヘカテを怒らせてしまったからな。ヘラの怒りともなればヘカテよりも執念深そうじゃし。くわばらくわばら。
 去り際に神殿の中をチラリと見てみると、泣き叫んで抵抗している若い女がひきずられて行くところだった。よく見ればアフロディテに匹敵するほど美しい…。

「嫌がるおなごを生贄にするとは!てめえらの血は何色だあああああ!!!!」

 拙者は斧を振りかざして突進する。まさか儀式に邪魔が入るとは思わなかったらしく、神官たちは呆然としている。女を捕まえていた男にパンチを浴びせて倒すと、女の手を引き連れて神殿から逃走する。
 群集が突然のことに右往左往しているなかを、うまく追っ手を巻きながら走りつづけるとやがて、人気のないところまで逃げ延びることに成功した。
「ありがとうございます。あなた様のおかげで命を救われました。お慕い申し上げます」
 女がヨヨヨと拙者にしがみついて、泣き崩れた。
「もう家には帰れません。あなた様について行きます」
 娘を抱きしめながら、神妙な顔で首を振る。
「当然のことをしたまで。武士の旅に女はいらぬ。お嬢さん、次の町まで送ってあげよう。そこで新しい生活をはじめなさい」
「アルテウス様…!」
 それにしてもええ、おなごやの。…いかんいかん、理性が飛びそうでござる。しかし、もしかするとアフロディテ殿より美しいかもしれんのぉ。

「アルテウス。お前、目がくもっているのじゃないの」
 いきなりアフロディテ殿がクスクス笑いながら目の前に現れた。おおっ、アフロディテ殿。懐かしゅうござる。
「美しい者を救ってくれてありがとう。彼女のことは私が面倒をみるわ。ちょうど新しい小間使いが欲しかったところだしね」
 娘と女神が一緒に姿を消した、きっとアフロディテ殿の神殿に向かったのであろう。
 アフロディテの庇護の元なら、あの娘もヘラの怒りからまぬがれるだろう。まずは一件落着だ。
 拙者は少しばかり危ういかもしれんがな。(アフロディテと友好関係、ヘラとは敵対関係になる)

アルテウスの偉大なる冒険談 第15話
01/21(Tue) 23:07|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

「…アルテウス、アルテウス!」
 気がつくと、商業と通信の神ヘルメスが目の前にいた。
 ヘルメスは拙者の目の焦点が合ったのを確認してから言った。
「お前の兄、テセウスは死んだ。その遺体は未だ、ミノスの迷宮に横たわっている。君の高貴な父上アイゲウスは、強力無双の息子の死に嘆き悲しんでいる。彼の魂は復讐へと駆り立てるが、老いた体がいうことをきかない。これは君の仕事なんだ。さかまく海をわたり、君の生地アテネの危機を救うのだ」

 またしても冒険の最初の時点まで戻されたようだ。しかたあるまい。
 母上に旅立ちの挨拶をした後、トロイゼンの高僧のもとを訪ねると、軍神アレス、知恵の神アテナ、美の女神アフロディテ、予言の神アポロ、大神ゼウスの妻のヘラ、海の支配者ポセイドンの中から守り神を選べという。
 軍神アレスに祈りを捧げよう。そして今度こそあの牡牛を退治するのだ。
 拙者の祈りに反応して、稲妻のような音と刺激臭のする煙とともにアレスその人があらわれた。筋骨逞しい、山男のような大男だ。
「俺を選ぶとは賢明な判断だな。さあ、ミノタウロスをぶち殺してこい。お前にその力を授けよう。少々時代遅れだが、簡単な方法が一番いいんだ」
 アレスの目が輝く。ぬおぉぉぉ!こ、これは!筋肉に力がみなぎるのを感じるでござる。(原攻撃点が2増える)

原攻撃点  6  棍棒(攻撃点+1)
原防御点 10
名誉点   7
恥辱点   0

 冒険は始まった。まずはティリンスの都へとむかう。
 さっそく最初の冒険で出会った殺人鬼が経営している宿屋に入ると、宿の主人を殺して(名誉点+4、恥辱点+2)斧(攻撃点+5、防御点-3)を奪う。アレスの加護とこの斧さえあれば、攻撃力についてはまず無敵だろう。
 翌朝、医神アスクレピオスが見守るエピダウロスの町へと進む道のりを歩いていく。あの盗賊達を痛い目にあわせねば気がすまんからな。
 ほこりっぽい道のりを歩いていくと、朽ちかけた皮の鎧を来た骸骨が転がっていた。ふとヒントを見ると、まだ使える兜が転がっているのに気がついた。(防御点+2)
 医神アスクレピオスの神殿に到着する。やはり神殿に近づくと、神を恐れぬ盗賊どもの仕業により、医神アスクレピオスの彫刻が苦しげな表情をしていた。そばの泉は流れる血で赤く濁っている。
「貴様、なんのようだ。アスクレピオスを苦しめるのが我らが目的。余所者には用はない。叩き殺される前にとっとと立ち去れ!」
 2人の盗賊が拙者の前にあらわれ、短刀を抜き放って脅した。
 拙者は猛然と攻撃を仕掛けた。が、冷静さは残している。敵が複数の戦闘は、仮にこちらの攻撃が全て成功しても、どうしても勝負がつくまでに相手の攻撃を受ける回数が多い。今回の戦闘では防御力の下がる斧より、棍棒を選び名誉点で防御力をアップする戦法をとることにした。
 たちまち盗賊の1人が重傷を負って倒れる。しかし二人目の相手の攻撃では、サイコロで最高の12の目が出た。たちまち拙者も重傷になってピンチになる。
 く、くそっ。また降伏して守り神に助けてもらうべきか。いや、退かぬ!!媚びぬ!!省みぬ!!拙者にはアレスの加護がある!
 しかし、無常にも盗賊の短刀が拙者を貫いた。
 
 はっ、と気が付くと拙者はどこかの川岸に立っていた。ゼウスに救われ、安全なところまで転送されたらしい。(名誉点1、恥辱点0の状態になる。斧と兜は無事)
 やれやれ、一巻で一度しか使えない権利をさっそく行使してしまったようだ。この調子では先行きが不安じゃわい。

アルテウスの偉大なる冒険談 第14話
01/20(Mon) 22:19|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 父上の宮殿で罪人扱いとは屈辱ではあるが、捕まってしまったものはしかたあるまい。牢獄の床に腰をドッカリとおろして座禅を組み瞑想にふけることにした。
 そのまま何時間かが経過すると、召使いがパンと水のはいった壷をもってきた。
 ガツガツと飲み食いして口をぬぐう。そろそろ尋問くらいあってもいい頃じゃがなと思うが、何の気配もない。釈放されるように守り神に祈りを捧げてみる。(名誉点3を失う)
「まあまあ、アルテウス。なんて格好だこと」
 いきなり、光輝く女神アフロディテ殿が拙者の膝の上に登場した。あわてて姿勢を正して女神の体を支えると、女神は拙者の首にしどけなく手を回して微笑む。熱い吐息が拙者の首筋にかかる。
 ああ、女神殿……。またもや、鼻血が出そうでござる。
「ここから脱出したいのね。なんとかやってみるわ」
 女神が立ち上がって手を一振りすると、たちまち拙者の服が一変した。泥まみれの旅人の服ではなく、大名のような紋付羽織はかま姿でござる。女神殿、ヘアスタイルもちょんまげにして欲しいでござる。
「なにかが違うわね。。。もう一度やり直させて」
 こんどは小綺麗なギリシャの貴族のような姿に変わった。品がよく、それでいて英雄らしく動きやすい服装だ。
「これでよし、と。一つ忠告をしておくわ。ワインを飲んではいけないよ。効果を損なうから」
 女神は満足そうに笑うと姿を消した。
 やがて見回りにやってきた衛兵が、別人のような拙者の姿を見て仰天して去っていく。隊長のような人間をつれてきて、拙者の処遇についてどう対処したものかと混乱しているようだったが、最終的に王の宴席に賓客として招待されることになった。

 大広間に行くと、王の賓客やアテネの貴族たちがテーブルに着席している。町の守り神のアテナに食物をとりわけたのちに、大宴会が始まった。
 前回の冒険では給仕として料理を眺めるだけだったが、今回はカモやイノシシの肉をしっかりと堪能する。
「さあ、ワインを注いであげますわ」
 王、アイゲウスの後妻メディアが、葡萄のワインを拙者の酒盃を満たす。女神の忠告を忘れなかった拙者は、彼女がなにかの粉末をワインと一緒に注いだのを見逃さなかった。
「かたじけない。…おおっと」
 わざと手を滑らせて酒盃を落とす。こぼれたワインは隣のお客の服を汚してしまい、拙者は不手際を謝罪する。(恥辱点を1増やす)
 このちょっとした騒ぎは王の目に止まったようだ。王は拙者の顔をまじまじと見つめる。
「お前がわしの息子だと名乗った者か。わしの館に潜り込んでどうしようというのだ。素性を言ってみよ」
 拙者は正直に今までのことを打ち明けた。王は半信半疑ながらも心を動かされたようだ。
「わたしの気高い息子、あの愛すべきアルテウスだというのか。だが、私は長いことお前に会っていなかった。今は信じて良いものか判断がつかぬ。…だが、証明する方法はあるぞ。マラトンの町に凶悪な牡牛が出没して、住民がふるえあがっているのだ。牡牛を殺してこい。それができる勇者であれば、お前はこのアイゲウスの息子に間違いないであろう」
 この父上の言葉で、拙者は胸をはって大広間を出ることができた。こんどこそあの牡牛を倒すことができるのだ。武者震いをしながらマラトンの町へ向かいだす。起伏のゆるやかな高地地帯を歩いて夕方になるころ、前方にマラトンの町の影が見えてきた。不意打ちを警戒して牡牛を向かい撃つべく、町の手前で静かに腰を降ろして待ち受ける。

 やがてのっそりを姿をあらわした小山のような牡牛に向かって、拙者は不適な笑みを投げかけた。
「来たか。盲亀の浮木、優曇華の華……待っていたぞ。知らぬかもしれぬが、お主は拙者のカタキ。いわば仇討ちござる。いざ尋常に勝負せよ!」
 攻撃力の下がるキュロンの盾を投げ捨て、槍を構える。牡牛は攻撃力、防御力ともに高い強敵だ。ダメージ覚悟の肉を斬らせて骨を断つ作戦、攻撃に名誉点を注ぎ込んで倒すことにする。
 牡牛は剣のように鋭い角をきらめかせて突進してきた。拙者も槍を構えて気合とともに突進する。鋭い槍の一撃は牡牛の肩に当たるが、牡牛の突進をマトモに喰らってしまう。次の勝負も同じ、共に重傷状態におちいる。次のラウンド、不覚にも拙者はトドメの一撃を外してしまった。すかさず牡牛の角が拙者の胸をつらぬく!
「お前の傷を治してやろう。だが、勝負からは逃げられない。必ず牡牛を討ち取るのだ」
 ゼウスの荘厳な声と共に拙者の傷は、たちまち癒える。だが、ゼウス神の助力を得て復活するということは名誉点1、恥辱点0の状態に戻るルール。つまりここからは名誉点を利用した戦闘はできなくなるわけだ。
 必死で牡牛の足を槍で薙ぎ払らおうとしたが、踏みつけられてしまう。
 またしてもか…無念。




アルテウスの偉大なる冒険談 第13話
01/19(Sun) 08:31|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 アテネの町に入ったはいいが、宮殿への道がわからぬ。そういえば前は老人に道を尋ねて豚小屋に案内されたのだったな。
 通りすがりの若い貴族に道を尋ねることにするが、自分も町の人間ではないのでわからないという。しょうがないので、ぶらぶらと通りを歩き続けた。
 すると道端で住民達が集団で2人の旅人を折檻している光景にでくわした。む。理由はわからぬが同じ旅人として見過ごせぬな。
「友よ!これがアテネの人々のすることか?アテナの市民は自由で誇り高く、寛容ではなかったのか。この町をこのようないまわしい行いで汚してはならんぞ」
 拙者がそういいながら割って入ると、住民達は恥ずかしそうに解散していった。
 助けた旅人達と話しをすると、彼らは拙者の最終目的地のクレタからきたという。「ミノス王の娘アリアドネに会ったら、われわれに会ったと伝えてくれ。私の名はエリデュロスだ」旅人の1人はそういい残してさっていった。
 それから噛み付いてきた犬をけっとばし、旅芸人が芸で我が兄テセウスが迷宮で倒れる様子を模した芝居を見た(その正体は通信の神ヘルメスだった)後、アテナ神があらわれて宮殿への道を教えてくれる。
 さらにテクテクと道を歩くと葬式をあげる一団の傍を通りかかった途端、そいつらに襲われて命からがら逃げ出した。下司なごろつき相手に逃げ出す(恥辱点を2増やす)のは苦々しいが、相手は5人ががかりだから戦っても勝ち目は薄かったろう。それにしても一見平和に見えてもひとたび裏通りに入れば貧困に満ちた恐ろしい町でござる。
 やっとの思いで宮殿にたどり着いた。衛兵が入り口で拙者を呼び止めてくる。
「お前は何者だ」
 前回の冒険では偽名を使って宮廷に潜りこんだが、今回は堂々と名乗ってみよう。
「拙者はアルテウス。王の息子だ」
 衛兵はびっくりしたようだが、拙者を案内してくれるといってきた。
 言葉に甘えて衛兵の跡をついて、狭い廊下を歩いていくとやがて小部屋の前にたどり着いた。
「こちらで今しばらくお待ちください。アルテウス殿」
 衛兵はうやうやしく拙者につげ、拙者はうなづいて部屋に入った。家具一つなく殺風景な部屋だ。
 その途端、扉が閉められ鍵のかかる音が聞こえた。
「ばかめ。王の息子などと、もっとマシな嘘を言ったらどうなんだ!」
 どうやら拙者は牢獄に入れられてしまったらしい。父上の宮殿で罪人扱いをされるとは、なんたることだ!

アルテウスの偉大なる冒険談 第12話
01/18(Sat) 01:05|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 翌朝、クロミオンの町を旅立つと町外れに道しるべがあった。ここからはパガイの町行きの山道とメガラの町へ行く海沿いの道へと分かれているようだ。パガイはネズミの大群に襲われたという嫌な記憶があるので、メガラの町へ進路をとり、昼頃にはメガラの市場にたどり着く。
 市場は無数の屋台が並び人ゴミで賑わっていた。ギリシャ全体から荷物が届いているようだ。物珍しい品々もあって、しばらくぶらぶら屋台を見物してまわっていた。途中で屋台から食い物をすくねようとする小悪党どもに遭遇したので、尻を蹴り上げて警備員に引き渡してやる。(名誉点を2得る)屋台の主人はキュロンと名乗りさかんにお礼をいう。
「この世に正義がまだ失われていないことを知って私は嬉しいです。感謝の印にこの盾を受け取ってください。私にはもう不要のものですし、あなたならこの盾の名誉を傷つけるようなことはなさらないでしょうから」
 キュロンの盾は大きく少々使いづらいが(攻撃点-1)身を守るには最適な防具だ。(防御点3)

 それ以降はなにごともなく、メガラの町からエレウシスの町へと旅を続ける。エレウシスでは今、女神デメテルの神殿で収穫祭の儀式が行われていると聞く。ちょっとした好奇心から見物してみようと思ったのじゃが、これがいけなかった。
 拙者が神殿にたどりついたときは、群集が固唾を飲んで見守る神殿の白い階段の上で、女祭司がなにやら儀式を執り行っているところであった。そのうち、女祭司が階段をおり群集の中を動きまわリ始めた。あちらの人の手をさわり、こちらの人の手をさわりするところを見ると、なにかの代表者を捜しているらしい。嫌な予感がしたが、その予感どおり女祭司は最後には拙者の手を取ると階段を登りはじめるではないか。
 なにがなんだがわからぬうちに祭壇の前に立たされた拙者は、呆然と女祭司の言葉と群集の期待のこもった歓声を聞いた。
「エレシウスの市民よ。これから一般人の1人に再生の象徴たる穀物と水と炎の儀式を執り行ってもらいます。さあ、始めましょう」
 目の前には水の入った壷と穀物の入った鉢、そして燃え盛る炎の入った火鉢がある。始めましょう、といわれてもこれらをどうすればいいのじゃろう?女祭司は拙者に何の助言もしてくれない。
 しかたなく先に穀物の入った鉢を手にとると、群集のかすかなどよめきが聞こえる。
 これで正しいのか不安になる。この穀物をどうするべきか。群集に振り掛けるか、水瓶の中に入れるか、火にくべるか、いっそ食べるべきか。
 そのときパラグラフに<>がついているのに気が付いた。今回の冒険はヒントをなるべく使わないつもりじゃったが、このときばかりは文字通り、神にすがる思いでヒントを見てみる。

───君は守り神への祈りをつぶやく。すると、かすかな囁きが聞こえる。「わからない。それはこのわたしにも謎なのさ!」(名誉点を1失う)

 アフロディテ殿も案外とあてにならぬ……。
 悩んだ挙句、鉢の中身を水瓶の中にあけてみた。チラリと群集の反応を見るとこの行為に対して仰天して尻込みさえしているではないか。しまった、失敗じゃ。
「みなさん、この男は余所者。われわれの儀式の手順を知らなくて当然です」
 女祭司が口を開いて群集をなだめ、拙者にむかって微笑んだ。
「異国の人よ。もう行くがよい」
 女祭司が新たな代表を選んでいる間に拙者は、恥ずかしさで顔を紅潮させながら退席した。恥辱点が増えなかっただけましと思わねばなるまい。

 エレウシスの町を出て、オリーブの並木道をひたすら真っ直ぐに歩き続ける。道はこれまでと違って手入れが行き届いており、耕地が広がり農民たちが働いているのが見えた。次はいよいよ父の都、アテネが近づいているのだろう。

アルテウスの偉大なる冒険談 第11話
01/15(Wed) 21:46|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 旅は続き、クレオネ川のほとりまでたどり着いた。
 前回と同じく、ヘラの化身である老婆がほとりに立っていたので、今回もおぶって渡ってやる。川の途中でヘラは正体をあらわし、拙者に好意を表すと消えた。(名誉点2を得る)
 続いて川のシーンのパラグラフは、ヒントが見られるようになっているのに気づく。前回はヒントの存在に気がつかずに素通りしておった場所だ。アポロ神の庇護のない今回の冒険は、ヒントの利用を避けておったのだが、覗いて見ると川に落としたばかりの母の宝石を拾うことができた。その後は宿屋に宿泊拒否されることもなく、おかげで今夜はゆっくりすることができた。
 翌朝、朝食をたらふく食べてケンクレエという海洋都市へ向かう。町の端についた頃、港からアテネ行きの商船が荷物を積み下ろししている光景に出くわした。船の周囲には乗船を待つ旅人達が待っている。
 ここは拙者も海路をとった方が楽じゃろうか?しかしこの冒険のことだ。海は海で嵐などの危険がありそうだ。ポセイドンが守護神であれば安心だろうが、ここは浜辺沿いに陸路を進むことにする。
 ふいに1頭の立派な馬が、海の中から黄金色の鬣をなびかせて登場してきた。拙者の方へ向かって突進してくる。
すばやく鬣をつかみ身を翻すと、馬に飛び乗る。しばらく馬上で暴れる馬と格闘していたが、やがて馬は大人しくなった。よしよし、これで少しは旅が楽になりそうだと思わずニンマリしてしまう。
「でかした」
 急に声をかけられて驚いて目をやると、水際にローブを着た老人が三叉の鉾を手に立っていた。
「わしはポセイドン。海だけでなく馬の支配者でもある神だ。お前の筋の良さに対して褒美をやろう。もはや海はお前になんの危害も加えないだろう。わしの祝福とともに旅を続けるがよい」
 そう言うと老人は海の中へ姿を消した。馬も海の中に駆け出そうとしたので、急いで飛び降りた。馬が手に入らなかったのは残念だが、ポセイドンの好意を得たのは大きい。(名誉点3を得る)
 さらに旅路をいそぐ拙者はクロムミオンという町の手前までやってきた。が、なにかおかしい。町の人々が逃げ回っているではないか。逃げまどう1人が拙者に怒鳴るように声をかける。
「何をしている、早く逃げろ!凶暴なイノシシが襲ってくるぞ!」
 イノシシか…。上等でござる!拙者の名誉にかけてもまたしても畜生ごときに負けるわけにはいかんのだ。
 やがて馬鹿でかいイノシシが現れた、拙者が挑発すると突進してきた。拙者は武器をもっていないが、今こそ修行の成果を試すときだ。タイミングを見極め、拙者はスラィディングでイノシシの足を狙った。
 せやーーーっ、ドラゴン払い投げ!
 バランスを崩したイノシシに電光キックを食らわせ、トドメにタイガー空手チョップで決着がついた。少しゲームが違うがま、いいじゃろ。
 くずれおちたイノシシの傍で息をついていると、クロミオンの市民達が集まって拍手をしてくれた。(名誉点6を得る)
 イノシシ退治のお礼にと、槍(攻撃点3、防御点1)をもらうこともでき、すこぶる気分が良い。
 もう町の中に入った頃には夕方になっていたので早めに宿に潜り込む。明日も徒歩の長旅が続くのだ。今のうちにたっぷり睡眠と食事をとって英気を養うことにしよう。

アルテウスの偉大なる冒険談 第10話
01/14(Tue) 01:35|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 武器を失った盗賊どもを従えて、拙者は階段を降り宿を出て行った。
 少し歩いて宿の方を振り返ると、宿の主人が目を丸くしてこちらの様子を見つめていた。
「ささっ、神殿はこちらです」
 へりくだった態度になった盗賊どもの案内につれられたどり着いたのは、一点の汚れもなく白々と輝く神殿だった。
 ほぅ、これは素晴らしい。
 拙者は高くそびえる神殿を柱を眺めて感嘆の声をもらしていると、ふいに物音がした。
 瞬時に夢想から現実に引き戻されたが、すでに盗賊達の姿は消えていた。
 逃げられたか…。まぁ、よいわ。
 神殿に近づくと、医神アスクレピオスの彫刻が苦しげな表情をしているのに気が付いた。そばの泉は流れる血で赤く濁っている。
 拙者は怒りに手足がふるえた。これは神への恐るべき挑戦、許されざる冒涜でござろう。
「下司な盗賊どもよ、出会え出会え!聖所を汚し、その代価を払わずにすむと思っているのか!」
 拙者は声をはりあげながら神殿の中に突入すると、暗がりから盗賊どもが襲ってきた。
 しかし、なんたること!拙者は最初の攻撃を外してしまった。必死で戦況を立て直そうとするが、たちまち拙者は“重傷”になってしまう。こうなっては仕方がない。
 無念ながら降伏を申し出たのだが、盗賊どもは拙者を血の泉の方へひきずっていった。泉に顔をつけて溺れ死にさせようという魂胆らしい。なんと卑劣な。
 こうなっては守り神の力にすがるしかない。心の中で必死に祈るとアフロディテの鈴が鳴るような声が聞こえてきた。(名誉点を2点消耗する)
「さあ、私が足止めをしている間にお逃げなさい。アルテウス。世話のやける子だこと」
 突如、泉の水が噴きあがり、盗賊どもの顔に浴びせかかった。
 このスキに拙者は素早く身をあげると、脱兎のごとく走って町を抜けた。
 なんとヒドイ展開であろうか。盗賊退治は失敗し、武器も失ってしまった。
 しかし、やるだけのことはやったのだから恥辱点を負うこともなかった。何より命は無事なのだ。今はそれで十分と考えるしかなかろう。

アルテウスの偉大なる冒険談 第9話
01/13(Mon) 02:48|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 翌朝になり、豪華なベットの上で目が醒めると、女神の姿は消えていた。
 アフロディテ殿の言っていた重要な情報とはなんじゃったのだろうか。
 せっかくの女神のもてなしにもかかわらず無意味に憔悴した体をひきずって館を出る。
 ティリンスの町を抜け旅を続けると、ほどなく分かれ道にたどり着いた。1つは前回の冒険に通ったミケーネの町へつながる道のりじゃな。ならば今回はもう一つの医神アスクレピオスが見守るエピダウロスの町へ進む道のりを歩こうかの。
 ほこりっぽい道のりを歩いていくと、朽ちかけた皮の鎧を来た骸骨が転がっていた。守り神のアフロディテ殿に「拙者の運命がこの者より幸運であるように」と祈らずにはいられない。
 不幸な冒険者の剣を拝借しようかと思ったが、錆びていたので断念した。前回の冒険では運良く斧を手に入れられたのじゃが、今はまだ貧弱な棍棒しかないのが不安でござる。
 やっとたどり着いたエピダウロスの町は繁栄しているらしく、沢山の人々でごった返していた。じゃが、その割に町の人々の表情はさえない。むしろ神に見放されたように暗い顔つきだ。
 通行人の1人に訪ねてたどり着いた宿は、むさ苦しそうなちっぽけな建物じゃった。窓には厚いほこりがたまり、くさった食物のような臭気がたちこめていた。内心では吐き気を感じながらもカウンターまでたどりつくと大声をあげた。
「たのもう!一夜の宿を所望いたしたい!」
 太って無愛想な親父が二階の鍵を差し出した。拙者の隣にいた老人が話し掛けてきた。
「お若いの、さっさとこの町から出て行くことをお勧めするよ。この町には盗賊団が我が物顔でのさばっているんだ。医神アスクレピオスの神殿だって危ないだろう。ましてや余所者のあんたなんかすぐに殺されちまうさ。それともあんたは英雄面しているようだから、盗賊を退治してくれるのかい?」
 そこまで言うと老人は下品にヒャヒャと笑いこけた。盗賊団が勝手気ままにのさばるのは、町の住民にも原因がありそうだと考え、少々うんざりしてしまう。
 つまらぬ挑発にのらずに今夜は部屋に入り、小汚いマットレスに身を沈める。疲れと昨夜の寝不足で、すぐに拙者の意識は遠のいていった。
「起きろ!」
 体を荒々しくゆさぶられたかと思うと片腕まで掴まれたのは不覚であった。目を開くと薄暗がりの中で見知らぬ男が2人いるのがわかる。どうやら老人の言っていた盗賊団らしい。
「この町にやってくるとは馬鹿なやつだ。だが余所者の命まではとらぬ。とっとと失せろ!」
 拙者はわざとまだ寝ぼけているかのように動きながら、床に置いた棍棒に近寄った。
 瞬間、身をねじって拙者を捕まえている男の顔面を殴りつける。相手も負けじとナイフを突き出し、拙者のわき腹をかすめる。傷にはかまわずにもう一度殴りつけると、男は悲鳴をあげてもう1人の背後に隠れた。“重傷”を負ったらしい。
 ぐずぐずする暇はない。もう1人の盗賊の胴体目掛けて棍棒を振りまわす。敵も当然のごとく反撃してきたが、拙者ももう一撃を受けると“重傷”状態になる。名誉点を3点ほど消費して一時的に防御力を増やし、これを防いだ。次の瞬間、敵の肩に当たった棍棒の一撃で勝負は決まった。
「命ばかりはお助けください。あなた様を安全に神殿まで案内いたしますから」
 武器を投げ出して降伏をする2人の盗賊をじっと見下ろす。信用できるとは思えぬが、殺すべきか?

 少し考えて肩の力を抜いた。
「お主たちも拙者の命まで取るつもりはなかった。ならば拙者もそういたそうではないか。さあ、神殿まで案内をしてくれ」
 名誉点を6点得る。

アルテウスの偉大なる冒険談 第8話
01/12(Sun) 16:35|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

「……アルテウス、アルテウス!」
 気がつくと、商業と通信の神ヘルメスが目の前にいた。
 ヘルメスは拙者の目の焦点が合ったのを確認してから言った。
「お前の兄、テセウスは死んだ。その遺体は未だ、ミノスの迷宮に横たわっている。君の高貴な父上アイゲウスは、強力無双の息子の死に嘆き悲しんでいる。彼の魂は復讐へと駆り立てるが、老いた体がいうことをきかない。これは君の仕事なんだ。さかまく海をわたり、君の生地アテネの危機を救うのだ」


 どうやら冒険の最初の時点まで戻されたようだ。しかたあるまい。
 前と同じく母上に旅立つことを告げると嘆き悲しみながらも、拙者の決断を応援してくれた。
 さっそく旅支度を整える。初期能力はサイコロを使わず固定の数値なので前回と同じだ。

原攻撃点  4  棍棒(攻撃点+1)
原防御点 10
名誉点   7
恥辱点   0

 旅立ちの前にトロイゼンの高僧に挨拶をすると、軍神アレス、知恵の神アテナ、美の女神アフロディテ、予言の神アポロ、大神ゼウスの妻のヘラ、海の支配者ポセイドンの中から守り神を選べという。
 うむ、どうしたものかな。再びアポロ神にお願いするのも芸があるまい。情報なら知恵の神アテナという手もある。それとも今度こそあの牡牛を打ち倒すために、軍神アレスに助力をこうのも手ではあるな。
 いやいや、今回は美の女神アフロディテに選び申そう。拙者の敬愛する新免武蔵殿も、芸術を解する人間じゃったしな。この無骨な冒険でどのような助力をしてもらえるのか予想もつかぬところが面白いではないか。
 そのようなわけでアフロディテに祈りを捧げたが、アポロ神の時のように突然アフロディテが目の前に現れることはなかった。
 旅を始め、砂漠地帯を何時間も歩きつづける。足は疲れ、目はもうろうとしてくる。
 やがて前方から馬に乗った人物がこちらに向かってやってきた。近づいてくるとその姿がはっきりした。どうやらご婦人のようだ。
「こんにちは、旅のお人」 
 ご婦人は拙者に微笑みかけた。拙者はしばし見とれてしまう。こちらのご婦人はなんと美しい方じゃろうか…。
「疲れているようですね。馬に乗せてあげましょうか。食べ物もあるし、手助けもしてあげてよ」
 お言葉に甘えることにした。馬の背に揺られながら、手綱を持つご婦人の後ろでおずおずとかしこまる。
 ご婦人は髪をなまめかしく揺らしてから振り返り、笑顔で言った。
「アルテウス。そなたは美しいものに信頼を示しました。私もその信頼に報いましょう」
 鈍い拙者もやっと気がついた。こちらのご婦人こそ、美の女神アフロディテに間違いあるまい!
「兄の仇を討ちたいのですね。ならばはるばるクレタまで行くしかありません。クレタではミノス王の娘、アリアドネに会いなさい。私ほどではないけれど、美しい娘。そなたが信用してもよい娘です。それから他にも重要な情報があったはずなのだけど。まあいいわ、先にこれからそなたをティリンスの町まで送ってあげましょう」
 馬は飛ぶように走りはじめた。拙者は慌てて、落馬せぬように女神の腰にしがみつく。
 芳しい女神の芳香に眩暈がしそうじゃ。ぬぉ、今のふくらみの感触は!鼻、鼻血が出てきそうじゃ!

 たちまちティリンスの町に到着すると、暗い街路を抜けて、大きな館に案内された。
 高価な小彫像がいくつも飾られている立派な館だ。
「ちょっと良いとは思わない?この私の像なんか特によく出来ているのだけど、残念ながら両腕が欠けてしまっているのよ」
 そんな女神の説明も拙者はうつろに聞いていた。案内された部屋のベットに腰掛けて、緊張する。
「そなたは良い子ですね」
 女神が近づいてそっと拙者の太ももに手をあてた。ふむおぉぉぉ…。理性がなくならないうちに先程の“重要な情報”を教えてくださいと懇願する。
「あ・と・で。さあ、私が傍にいるからゆっくり休みなさい」
 女神が拙者の体をそっとベットに横たえて、やわらかな肌触りの毛布をかけてくれた。
 休めといわれても困るでござる。生殺しでござる。

アルテウスの偉大なる冒険談 第7話
01/07(Tue) 02:11|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 老人はアテナ神殿を通り過ぎ、大通りを進んでいった。町の中心部を離れていくようだ。
「さあ、ついたよ。ここがあんたの宮殿だ」
 やがて老人が到着したのは、ブタ小屋の前だった。(恥辱点が1増える)
 なんじゃと。おのれジジイ!拙者の斧のサビにしてくれるわ!
 いきりたつ拙者を尻目に、老人は恐ろしい素早さで身を翻してワキ道へ逃げ出してしまった。
 怒りをかみ殺して冷静さを取り戻す。無意味な怒りにかられて行動しては無用な危険を招きかねん。

 家畜に残飯を与えているブタ飼いの若者がいたので宮殿への道を聞くと、今度こそ宮殿へと案内してもらうことができた。
 ただし、ここは立派な宮殿の正面入り口ではなく、ブタ飼いの出入りする宮殿の調理場の勝手口らしい。中から調理をする香ばしい煙が漂っている。
 扉をノックすると、エプロンをしてガッシリした体格の女が出てきて、名を名乗れと聞いてきた。
「拙者、アルテウスと申す者でござる。我が父君アイゲウスに会うためにトロイゼンよりはるばる参りもうした」
 最初はそう答えるつもりだったが、偽名を使ってこの場をやり過ごす選択肢もあったので思い直し、正体を明かさぬことにする。
 ピパラスだと答えると、宴会の手伝いに来た人間だと思われたようだ。なりゆきでワインを入れる大鉢を洗う作業を命じられる。
 英雄の仕事とは思えぬが、仕方がない。それが終わると今度は給仕係としてかりだされた。

 大広間に行くと、王の賓客やアテネの貴族たちがテーブルに着席している。町の守り神のアテナに食物をとりわけたのちに、大宴会が始まった。
 拙者は上座に座る王、つまり父上の姿をチラリチラリと見ながら、だまって1人1人にワインをそそいでゆく。
 やがて父上の席までまわると、父上はパンを取って拙者に与えようとしたではないか。
 おお、いったい拙者はなにをしているのであろうか。父の館までたどりつきながら召使いとして振る舞っているとは。(恥辱点が3増える)
 動揺のあまり、つまづいてワインをそそいだ酒盃を倒してしまう。それは思いもかけぬ大きな物音となる。
 部屋中の人々がおしゃべりをやめて静まりかえった。
 王は拙者の顔をまじまじと見つめる。
「お前は普通の給仕ではないな。わしの館にこんな形で潜り込んでどうしようというのだ。素性を言ってみよ」
 たまりかねた拙者は父上の息子だと、正直に今までのことを打ち明けた。
 王は驚いてすぐには言葉が出なかったようだ。
「わたしの気高い息子、あの愛すべきアルテウスだというのか。だが、私は長いことお前に会っていなかった。今は信じて良いものか判断がつかぬ。……だが、証明する方法はあるぞ。マラトンの町に凶悪な牡牛が出没して、住民がふるえあがっているのだ。牡牛を殺してこい。それができる勇者であれば、お前はこのアイゲウスの息子に間違いないであろう」
 この父上の言葉で、拙者は胸をはって大広間を出ることができた。こうなれば、一刻もはやく証明せんものとマラトンの町へ向かいだす。

 起伏のゆるやかな高地地帯を歩いて夕方になるころ、前方にマラトンの町の影が見えてきた。
 さらにマラトンの町に近づくと、町の人々が家から手を振って、なにやら拙者にむかってわめいているのがかすかに聞こえてきた。
「…オウシ!オウシガウシロニイルゾ…」
 なんじゃと!?
 気が付くよりも一瞬早く、恐ろしく体格の良い牡牛が拙者の背後から突進してきた。
 かろうじて地面に転ぶように身をかわすが、はずみで利き腕をひねってしまう。(この戦いに限り攻撃力から2点引く)
 なんとか斧をかまえて次の牡牛の突進にかまえるものの、拙者の渾身の一撃は外れ、まともに突進を喰らってしまう!
 なんの、まだまだ!もう一度斧を振り下ろすと、今度こそ牡牛の背中に叩きつけることができた。しかし、こちらももう一撃を受け“重傷”を受けた。
 このゲームの戦闘では、体力点の概念がないかわりにさきに2回攻撃が当たったら“重傷”となり、
攻撃力を決定するために振るサイコロの数が、2つから1つに減ってしまう。さらにもう一度攻撃が当
たれば死亡するというルールでござる。
 早い話が、今は極めて危険な状態なのだ。
 だが、父上との約束を放棄して逃げるわけにもいかぬ。だが!まだあきらめるのは早いぞ!
 英雄点を消費してサイコロの目を修正するというルールを利用がある。ここは利用できる限界点ギリギリまで使用して、必殺の一撃を繰り出すのだ!

「畜生めが!覚悟するでござる。ヌオオオオォォォォォォ!!」

 あっさりかわされ、拙者は牡牛の角で天高く弾き飛ばされた。
 無念!




アルテウスの偉大なる冒険談 第6話
01/06(Mon) 22:52|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 アルカネの町につくと女神ヘカテの像の前で、子犬の首を切り落としてを生贄に捧げようとする集団に出会った。拙者は思わず斧を振り上げて怒鳴った。
 待つのじゃ、おまえ達。いたけな子犬を苛めるでない!
 拙者を見て人々は散り散りになった。すくみあがって残された子犬をやさしく抱き上げるが、子犬は拙者の手にかみついて、キャンキャンと鳴きながら逃げ去った。とんだ恩知らずだ。
 突然、ヘカテを祭った祭壇が真っ二つに裂けた。目をみはる拙者に不気味な声が響く。
「アルテウスよ。よくもわたしの祭壇を汚したな。わたしの敵意はゼウスの報復よりも恐ろしいことをおぼえておけ」
 散々なことになった。今日はヘカテを刺激しないようにおとなくしくしておこう。
 アルカネの町は戦車競争という町を一周するレースが催されているが、拙者はさっさと宿に入って寝てしまった。深夜までレースを見物する観客の歓声が聞こえてきて寝苦しい。やはりレースを見物するべきじゃったろうか。
 翌朝、アルカネの町を出発する。次はついに父上のいるアテネの町だ。なにごともなくその日のうちにアテネの町の入り口にたどり着く。
 町を歩く老人に宮殿への道のりを尋ねると、快く宮殿に案内してくれるという。
 ありがたい。礼を申すとのろのろと歩く老人のあとをついて行った。

アルテウスの偉大なる冒険談 第5話
01/05(Sun) 00:02|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 デルフィの町には我が守護神のアポロ神の聖所がある。
 道中は巡礼の一団と仲良くなって、小神像を1つわずかな金とともに譲りうけた。
「止まれ、巡礼!」
 いきなり大勢の男たちがこちらを呼び止めた。
 男たちに、金を払うかさもなくば畑の一区画を耕さないと、通してくれないらしい。
 巡礼たちは素直に金を払って先に進んでしまった。言いなりになるのも悔しいのだが、敵が多すぎる。ということゆえ、どうしたものかとヒントを覗いてみる。

───君は恥辱点1を負い、名誉点を1を失う。

 なんでじゃい!まあ、アポロ神が味方してくれる拙者には影響はないが。
 結局、有り金のほとんどを払って先に進む。この屈辱的な脅しに負けた事で恥辱点1が増えてしまった。やれやれじゃわい。
 巡礼者用の宿泊所で一夜を明かした後、アポロ神の神殿で昨日譲り受けた小神像を供物として捧げると巫女が神託をくださった。

───遠国の王の娘のもとへ行き、ヒツジの初子に祈りを託せ……

 ふむ、意味がさっぱりわからぬの。少々がっかりだわい。
 神殿を出て、丘の傍を歩いていると、いきなり絶叫とともに男が1人、崖のうえから落ちて死んだ。
 慌てて警戒したが、それ以上はなにも起こらぬ。しばし呆然と男の死体を見詰めた後、旅を続けることにした。これもギリシャ神話の世界ならではなのかのう?
 街道は森の中に分け入って、二手に分かれていた。特にヒントもないのであてずっぽうに右の道を選ぶ。
 こうして拙者はテーベの都にやってきた。
 じゃが、この町の住民は貧しい暮らしをしているらしい。垢まみれの乞食や物乞いの少年たちが、ひっきりなしに拙者に群がってくる。うんざりするので、食事の為に休憩するのもやめて、さっさと町を抜け出すことに決めた。
 腹がすいてはいるが、平気じゃろう。このゲームは体力点の概念が存在しないからな。
 雪解け水で水浸しになっている野も、けわしい山道も元気よくこえて、次なる町のアルカネという都を目指す。

アルテウスの偉大なる冒険談 第4話
01/04(Sat) 23:35|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 クレオネの町を過ぎて旅を続ける。そしてコリントの町を通過してパガイの町に入った。
 フクロウの女神アテナの神殿の前を通ったとき、男が拙者を呼び止める。男はパガイの領主だった。

「異国の人よ。あなたは旅人でこの町の災厄についてご存知ないようだ。この町にはネズミによる疫病が猛威を振るっているのです。あなたなら、われわれを救うことができるかもしれない」
 ふむ。助けてやりたいのは山々じゃが、どうすればいいのじゃろうか。
 男は拙者を町外れの納屋に連れて行った。
「ここがネズミどもの巣だ。君を英雄と見込んでお願いする」
 そういうやいなや、拙者を薄暗い納屋に押し込んで扉を閉めてしまったではないか。
 ちょっと待つのだ!まさか、拙者に一匹ずつネズミ達を殺していけというのか。
 目が薄暗闇に慣れてくるにつれ、チョロチョロと何かが駆け回っていた。キーキー叫びながら次々に無数のネズミども襲いかかってくる!
 ギャァァァァ!
拙者、名誉ある果し合いなら怖くは無いが、ネズミどもは苦手でござる!
 攻撃をはずした!傷を!傷を負ってしまった!重傷を負ってしまった。もう駄目でござる!助けてくだされ~!

 ハッと気が付くと、パガイの町を離れた道端に拙者はたたずんでいた。どうやらゼウス神が助けてくれたようでござる。
 いや、少々取り乱したようで面目ない事態であったな。ゼウス神の助力は一巻に一度しか使えぬ秘蔵の権利。今度、当分の間はゼウス神の助力は得られまいて。
 目の前には夜の女王ヘカテの三面像が立っていて、そこで道が分岐していた。
 気を取り直して、ここは左手の道、デルフィの町へ向かって進むことにしようぞ。

アルテウスの偉大なる冒険談 第3話
01/03(Fri) 18:04|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはアルテウスの復讐のプレイレポートじゃ。そろそろネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 さてと。どちらへ向かうべきじゃろうか。
 ティリンスからのびている道は2つある。医神アスレウスの町エピダウロスか、ライオンの都ミケーネのどちらかだ。ミケーネの方を行ってみよう。
 ほどなく町の入り口のライオン門の前に立った。あまりの壮大さに圧倒される。きっと大地の息子の巨人キュクロプスが建築したに違いない。そのまま町に入り、市場を抜け、女たちが洗濯をする川の傍を通る。
 守り神を祭った神殿の前に乞食がいるのに気が付いた。
 んっ、ここにもパラグラフ番号に<>がある のでヒントを見てみようぞ。今までの印象だと「なにを乞食に怯えている。恥辱点を1増やせ」とか書かれても不思議ではないがな。

───君は神殿の前で足をとめ、君の神に祈りを捧げる。一瞬だが神が傍に立ち、クレタの浜辺へ行けとうながされた気がする。敬虔さゆえに名誉点1を得る。

 ふむ。ヒントが良い結果になるかどうか、作者のきまぐれのような気がするの。 
 乞食にも銅貨をめぐんでやると(所持金のルールがないのでゲーム的に損はない)名誉点がさらに1点増した。
 ミケーネの町自体には用は無い。町を出て次なるクレオネの町の方角へ向かう。
 道中は平穏だったが、町の手前に流れる大きなクレオネ川がいく手を阻んでいた。
 橋のようなものはない。歩いて渡れそうな浅瀬を捜していると、一人の老婆が同じように川の前で立ち往生していた。
「わたしを哀れんで背負っておくれ。体が弱った私には川を渡ることができない。このままでは飢え死にしてしまう」
 まあよかろう。年配者には敬意を示すのが私の流儀だ。老婆を背負いあげると、無事に川を渡り始める。
 背中の婆さんが話し掛けてきたので頭だけ振り返る。愕然としたことに老婆は、神々の女王ヘラに姿を変えているではないか。
「よくやった。アルテウス、お前の好意を心にとめておくよ」
 そう言ってヘラは姿を消す。名誉点も2増えた。乱暴な扱いをしなくて本当によかったわい。
 しかし良いことばかりでもない。クレオネの町で宿を所望しようとすると、ピシャリと門前払いを食わされた。ヒントを見ると、川からあがったばかりでズブ濡れになった服が問題らしい。
 金と取り出そうとしたが、ここで母上からもらった大事な宝石を失ったことに気がついた。そういえばさっき川で何か落ちた気がしたな。
 捨て置く選択肢もあるが、そんなことは拙者にはできぬ。戻って川の中に入ると、日も暮れて歯が震えるほど寒かったがなんとか宝石を見つけ出した。この騒動のために恥辱点を1点加算されてしまったがな。
 やれやれヒドイ目にあったわい。
 疲労した体を川岸にぐったりと投げ出して、翌朝まで拙者はこんこんと眠った。

アルテウスの偉大なる冒険談 第2話
01/02(Thu) 05:54|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
 拙者は岩だらけのけわしい道を歩いておった。
 一組の男女が早がけの馬にのって通りすぎていった以外には何もない。単調な時間が過ぎていく。
 旅は始まったばかりじゃが、このパラグラフ番号には<>がついておるぞ。実はこのゲームでは<> で囲まれているパラグラフ番号にきた場合は、20を加えたパラグラフ番号に移動してヒントを得る事もできる。しかも拙者はアポロ神の加護のおかげで、ヒントを除いたことによって失敗しても失点がかからないのじゃ。積極的に使うべきだろうのう
 どれどれ、今はなんと書いてあるか見てみようかの。

───ギリシャの英雄なら、祖先の広間を出たばかりで恐怖を感じたりしないものだ。恥辱点を1負う。


 失礼な、拙者は恐怖など感じておらんぞ!まあよい、失点は無視してよいのじゃからな。先に進もう。
 夕方になり、拙者はティリンスと呼ぶ都へたどり着いた。ここでもヒントを見てみようか。

───まだ、恐れることは何もない。臆病風に吹かれた罰として名誉点1を失う。

 だから、拙者は恐れておらんというに!不愉快ゆえ、とっとと宿に入って寝てしまおう。
 宿屋に入ると、客は拙者だけのようであった。宿の主人とたらふく酒を飲んで意気投合したあと、千鳥足でベットにもぐりこむ。ベットは少し小さくて足がはみ出るのが難点じゃが、体を丸めればよいじゃろ。
 ふいにアポロ神が拙者の枕元に現れた。
 「アルテウス。お前は重大な危機に見舞われている!宿の主人はお前の足をベットの長さに合わせて切りとってしまうつもりだぞ」
 そして消えた。拙者は神の警告に感謝すると、すぐに扉の影に隠れることにする。
 まもなく宿屋の主人が斧を片手に入ってきた。奴がベットが空なのを見てうろたえている隙に、拙者は不意の一撃を食らわせる。これで勝負は決まったようなものだ。
 殺人鬼を重傷まで追い詰めると、斧を取り上げて役人に引き渡すことにした。斧は(攻撃点+5、防御点-3)武器としてもらっておこう。悪人退治のあとは気分が良いわい!
 かっかっかっかっと大声で笑って、翌朝から旅を再開することにする。

アルテウスの偉大なる冒険談 第1話
01/01(Wed) 03:50|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
 これはかつてあった、ゲームブックのメルマガ「ゲーマニ」に連載していたゲームブックの冒険記録でござる。
 当時は「今頃ソーサリー」というゲームブックのリプレイブログがちょっとしたブームじゃたので、便乗するようにゲーマニに投降していたものじゃが、完結寸前でゲーマニが終了したために未完となっていたため、ここに改めてその冒険の全容をお話ししたいと思う。
 拙者が挑戦したのは、社会思想社で発売されたギリシャ神話アドベンチャー三部作であ る。
 内容はギリシャ神話の世界を舞台に、兄じゃの敵討ちをいたすという仇討ちものじゃった。もちろん当時は拙者がこの冒険に挑戦したのは初めてでござる。
 それでは勝手ながらよろしくお願いいたすぞ。まずは第1巻のアルテウスの復讐からじゃ。

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 拙者はギリシャの英雄あのテセウスの弟、アルテウスである。トロイゼンの町の近くにある町で、母アイトラと素朴な生活を営んでおった。
 しかしある日のこと、使者の神ヘルメスが兄がミノス王の迷宮で卑劣な闇討ちにあって死んだと知らせを持ってきたのだ。ヘルメスはなおも言った。
「君の高貴な父上アイゲウスは、強力無双の息子の死に嘆き悲しんでいる。彼の魂は復讐へと駆り立てるが、老いた体がいうことをきかない。これは君の仕事なんだ。さかまく海をわたり、君の生地アテネの危機を救うのだ」
 母上に旅立つことを告げると嘆き悲しみながらも、拙者の決断を応援してくれた。当面は父上のアイゲウスを尋ねなさいという母上のお言葉に従うことにいたそう。
 さっそく旅支度を整える。初期能力はサイコロを使わず、固定の数値なので簡単だ。

原攻撃点  4  棍棒(攻撃点+1)
原防御点 10
名誉点   7
恥辱点   0

 旅立ちの前にトロイゼンの高僧に挨拶をすると、軍神アレス、美の女神アフロディテ、予言の神アポロ、大神ゼウスの妻のヘラ、海の支配者ポセイドンの中から守り神を選べという。
 見ず知らずの冒険に情報は必要と判断して、アポロを使命することにした。すると眩い光と共にアポロその人が現れた。
「アルテウス。お前に選ばれるとは光栄だな。行く手には数多の困難が待ち受けているから気をつけろ。お前にわたしの力を授けてやろう」
 アポロはそういって拙者の目にぷっ、と唾を吐いてから消えた。これで拙者には予知能力が身についたのだ。
 こうして拙者はトロイデンの町を出た。偉大なる大冒険の一歩の始まりなのだ。

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