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アルテウスの偉大なる冒険談 第26話
02/10(Mon) 01:16|ギリシャ神話アドベンチャーcomment(0)trackback(0)edit
<注:これはミノス王の宮廷のプレイレポートじゃ。ネタバレもあるから承知の上で読んでくれ>

 「おお、客人が戻ってきたぞ。みなの者、これがアイゲウスの息子、冒険者のアルテウスだ。そしてテセウスの弟でもある。みなもテセウスのことは覚えているであろう」
 玉座の間は、豪勢な食卓がセットされ、大勢の貴族たちが居並んでいた。
 ミノス王が拙者を紹介した後は、ワインが杯に次々に注がれ、拙者の健康を祝って皆が乾杯をしてくれた。拙者もお返しにクノッソスの王宮の繁栄と、そこの人々の幸福を祈って乾杯をすると拍手喝采が鳴り響いて、歓談が始まった。
 テセウスのことは全員が知っているらしい。兄のテセウスがこの宮殿でどう思われていたか知りたかったが、残念ながらそれ以上、兄に関する情報はなかった。
 やがてミノス王が宮殿の主だった、人間を拙者に紹介してくれた。高僧のパングリオン、先ほども見た衛兵隊長のポリクラテス、まだ年若い廷臣のオプリスとラクトリスなどなど。
「わしの宮殿にはまだまだいるぞ。ボロリス!ボロリスはどこにいる?」
 ミノス王が上機嫌で喋っていると、広間の外から騒がしい音が聞こえてきた。ん、何事じゃ?
 タイジアが止めるのも聞かずに扉の方に近づくと、二人の男が王座の間に転がり込んできて倒れこんだ。
「おい、大丈夫か。どうなすったのじゃ」
 拙者が二人に近づくと、その内の1人が拙者の上着にしがみついて立ち上がった。どうやらひどく酒に酔っ払ているらしい。酒臭い息がマトモに顔にあたる。濁った眼が拙者に向いてから男はわめいた。
「おい、奴隷。ぼっとするな。さっさと酒を持って来い!」
 なにお!
 侮辱的な言葉に拙者は、そいつの顔面に怒りの鉄拳パンチを食らわせた。男はもんどりうって石の床に倒れたが、すぐに起き上がって拙者に掴みかかってきた。
「そこまでだ!」
 ミノス王の一喝でその場が凍りついた。拙者は兵士達の手で男から引き離された。酔っ払いの二人もよろよろしながら逃げるように去って行く。
「今のはわしの息子クレムトン。もう1人はその友人のミトクロスだ。客人が息子と殴りあうとは、穏やかなことではないが、クレムトンにはいい薬だろう」
 ミノス王は低い声でつぶやくように言うと、拙者に席につくように言った。玉座の間の空気が静まり返る。
「ミノス、あなたは自分の息子さえコントロールできないでいる」
 ふいにローブをきた老人が、ミノス王に宣告をした。一瞬、ぎょっとした空気が流れるが、ミノス王は笑い出す。
「アルテウス、この男の紹介をしていなかったな。この老人は皮肉屋のディプティスだ。こいつは今のように、よく私を楽しませてくれる。さあ、今度はお前が楽しませてくれ。お前がここにきた用件はなんだ?」
 うーむ。登場人物が一気に増えて混乱してきたぞ。などと言っている場合ではない。ここでの選択肢は4つだ。

・(持っていれば)父の親書を手渡す。
・ここに来たわけを説明する。
・エリデュロスの名を持ち出す。
・親書をなくしたという。

 当然、親書は持っていないので最初の選択はない。エリデュロスとは、アテネでリンチに遭っていたのを拙者が救ってやった男の名だな。奴はミノス王と縁があるのか?
 とりあえず人間の貢物をやめてもうよう、父上から頼まれたことを説明することにした。
 ミノス王は聞き終わるとちょっと考え込んでから、言った。
「アイゲウスはお前にわしへの親書を託したはずだが。お前が本物の王の息子なら、まずはそれを見せてくれ」
「そ、それは…オリンポスの神々のいたずらか、数々の冒険の最中に行方不明になったでござる」

**************

 時が流れ、拙者は身ぐるみを剥がされ独房の中で寝転がっていた。
 牢の外では衛兵が何度も巡回していて、脱出は難しそうだ。
 残念ながら交渉は不成立だな。釈明の機会も与えぬとは、噂に違わぬ非情な王だな。
 ああ、「そもそもお前のせいだろ」とかいう、つっこみは不要だぞ。こうなったらなんとか牢を脱出して迷宮に潜り込み、ミノタウロスを倒すしかあるまい。
 それにしてもヘパイストスから与えられた武具を没収されたのは痛いのぉ。この後、武器を取り返すことはできるのじゃろうか。


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